人事業務の負担を減らすための効率化とは?まず初めに取り組むべき業務の細分化

2022年05月03日 08:30 #BPO

ビジネスのグローバル化やDX推進などにより、近年働き方が大きく変化しました。社会全体の価値観が多様化する中で企業が成長し続けるには、人事部門が自社の経営課題や経営戦略と連動した「戦略人事」の考え方が必要です。

 

しかし、現状の人事部門には多くの課題があり、これまでの「管理・運用人事」から「経営戦略を実現する人事」への転換はなかなか推進できないという声も多いようです。

 

この記事では、人事業務の負担を減らし効率化するために何が必要なのか、企業が取り組むべき施策や効率化のポイントをご紹介します。

 

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■人事に求められる改革とは?

■人事業務の現状と課題

■人事業務に必要な「洗い出し」と「細分化」

■人事に必要な効率化のポイントとは?

■まとめ

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■人事に求められる改革とは?

グローバル化やDX推進、また新型コロナウイルス感染症の影響でニューノーマル時代を迎えた今、人事業務の改革は企業にとって必須ともいえる方針・施策となっています。劇的に変化する社会の中で競合他社との競争に勝ち抜き、自社のビジョンを実現するためには、状況に即応できる人材の活用や積極的なマネジメント、経営戦略と連結した戦略人事に取り組む必要があります。

 

戦略人事とは、企業の経営戦略に深く関わり、その戦略を人事領域に落とし込んで実現させることです。具体的には、企業の理念やビジョンをもとに人事領域での戦略を立案し、戦略性を持った人材採用や人事制度を設計、またそれを社内に浸透させ、施行する役割をいいます。経営戦略と人材マネジメントを連結することで、他社との差別化や競争優位を生み出すねらいがあります。

 

従来の人事業務の中心だったバックオフィスの管理・運営業務から、中長期的な経営視点をもった人事業務の遂行へ。外部環境の変化にスピーディーに対応できる組織をつくるために「経営者のパートナー」ともいえる戦略人事へのシフトチェンジが求められているのです。

 

■人事業務の現状と課題

激しい時代の変化に対応すべく、企業に求められている戦略人事。しかし、戦略人事に関しては人事側への教育機会がほとんどなく、知識不足により導入が進まないことが課題の一つに挙げられます。戦略人事への転換が求められているものの、まだまだ広く普及しているとはいえないのが現状です。

 

また、人事業務といえば、人材採用から人事評価、人材育成、労務関連の事務処理にいたるまで多岐にわたります。戦略人事の重要性が増し、人事に高度な役割が求められている一方で、実際のところは従来の業務で手いっぱいとなっている企業がほとんどでしょう。日常的な人事業務に追われる業務過多な状況下で経営者のパートナー視点にまで立つのは難しく、戦略人事の普及が進まない原因となっています。

 

さらに、人員的な面から体制が整えられないこと、人手が足りず戦略立案まで対応できないことなどから、人事が注力すべきところに時間やリソースをあてられていないという課題もあります。企業が戦略人事を進めていくうえでは、高度な判断を必要とするコア業務に集中できるよう、ノンコア業務については可能な限り効率化を図る必要があります。

 

■人事業務に必要な「洗い出し」と「細分化」

非効率的なバックオフィス業務を効率化し、人事が本来集中すべき職務に専念するにはどのような取り組みが必要となるのでしょうか。

 

人事業務の効率化を進めるうえでまず取り組むべき課題は、業務内容の「洗い出し」と「細分化」です。属人化しているものも含めてすべての業務を洗い出し「効率化できる業務」と「効率化できない業務」に分ける作業が必要となります。

 

具体的には、労務管理や勤怠管理、給与計算などの日常業務から、イベント企画、社内報、SNS発信にいたるまでの業務フローを作成し、自社の人事業務の現状を把握・可視化できるようにします。その際は、どの業務にどれくらいの人員が必要となるか、所要時間や工数はどの程度かかりそうかなどを具体的に挙げていくことがポイントです。

 

人事業務の洗い出しと細分化をした後は、具体的な改善点と改革方法について検討していきます。人事業務の改革は会社全体に関わるため、人事部門だけで一方的に進めるのではなく、現場とコミュニケーションを取りながら効率化のための見直しをおこなうことが大切です。

 

 

■人事に必要な効率化のポイントとは?

人事業務の負担を減らし経営戦略を実現する人事を目指すには、必要に応じて人事労務業務のアウトソーシングを利用することも重要です。これまで自社でおこなっていた定型業務や管理・オペレーション業務を外部に委託し自動化・効率化できれば、人事担当者の負担は減り、本来注力すべきコア業務に取り組む時間を生み出せます。

 

さらに、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を利用すると、一般的なアウトソーシングと異なり、業務の企画や設計・施策から実行、分析までまとめて委託するため、恒常的にPDCAサイクルを回していくことで、品質を担保しながら人事業務の継続的な運用と改善が図れます。

 

アウトソーシングによる人事業務の効率化は、通常業務に追われて人事の手が回らなくなるリスクや、人材育成にかかるコスト・時間などの課題も解決します。重要なコア業務に人員や時間をあてられるようになることで、経営のパートナーとして「経営戦略を実現する人事」に近づくでしょう。

 

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■まとめ

激しく変化するビジネス環境において、企業が競合に打ち勝ち成長し続けるには、経営者のパートナー的視点に立った「戦略人事」が欠かせません。これまでの管理・運営人事から戦略人事への転換はもはや必須といえますが、現況としては日常的な人事業務だけでもすでに手いっぱいの状態であり、本来注力すべきコア業務に時間やリソースを割けていない傾向が見受けられます。

 

人事業務の効率化を進めるには、まず自社の業務を洗い出し、細分化していくこと。そして重要な判断が伴わないノンコア業務については、必要に応じてアウトソーシングを利用することもポイントです。自社の効率化と生産性の向上を図るために、また人事が本来の業務を遂行し競争力を高めていくために、人事労務業務のアウトソーシング導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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